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今月の特集 / 取説 No.012
見積書づくり3時間が20分に。町工場がAIに渡した「たった2つの下ごしらえ」
プログラムは一行も書きません。過去の見積書を整理して、渡し方を決めただけ。60代の専務が一人で回している手順を、つまずいた所も含めてそのまま公開します。

まず結論
過去の見積書300枚を「品名・数量・単価」の表に直してAIに渡す。これだけで、新しい引き合いの見積もり下書きが20分で出ます。かかった費用は月3,000円です。
なぜ見積もりから始めるのか
診断を受けた128社でいちばん多かった「時間ばかり食う仕事」が見積もりでした。理由は単純で、過去の自分の仕事の中に答えがぜんぶあるからです。AIは無から答えを作るのは苦手ですが、「前にやった似た仕事を探して、今回に合わせて直す」のは得意です。つまり見積もりは、AIの得意技とぴったり重なります。
下ごしらえ その1 — 過去の見積書を一つの表にする
- 1. 直近2〜3年ぶんの見積書を集める 紙でもPDFでも構いません。まずは金額の大きい順に100枚。全部やろうとしないのがコツです(この会社は手応えが出たあと、最終的に300枚まで広げました)。
- 2. 「品名・材質・数量・単価・納期」の5列の表に直す この打ち直し作業こそAIにやらせます。見積書の写真を撮って渡すと、表に直してくれます。専務は1日30枚ペースで、10日で終わりました。
- 3. おかしい行だけ人間が直す 1割ほど読み間違いが出ます。ここだけは目で確認。逆に言えば9割は合っています。
下ごしらえ その2 — 「うちの値付けのクセ」を3行で書く
例えばこの会社ではこう書きました。「急ぎは2割増し」「リピート品は前回価格から始める」「材料費が3割を超えたら要相談」。この3行があるだけで、AIの下書きが「うちの見積もり」になります。
ここで失敗しがち
最初から全部の仕事をAIに任せようとすると、まず失敗します。この会社も一度「引き合いメールを全部自動で」から始めて挫折しました。下書きまでをAI、最後の値決めは必ず社長か専務。この線引きを守ってください。
今日やるなら、この30分
まず見積書を10枚だけ選んで、スマホで写真を撮り、AIに「この見積書を、品名・材質・数量・単価・納期の表にしてください」と頼んでみてください。10枚が表になった瞬間に、この記事の意味が体でわかります。
こんな会社には向きません
過去の見積書が2〜3年ぶんも残っていない会社、一品ごとに完全な特注で「前と似た仕事」がほとんど無い会社では、下書きの精度が出にくいです。その場合は見積もりではなく、日報や請求書の読み取りから始めるほうが早く効果が出ます。
見積もり1件あたり
3時間→20分
下書き完成まで・実測
月あたりの時短
約34時間
見積もり13件ぶん・実測
かかる費用
月3,000円
AIの利用料のみ